その昔、「男子厨房に入るべからず」と言われた時代がありました。
家事は女性が行うので、男性は厨房に入って料理を作ったり片づけたりしないといった、昔から使われていた言葉です。
今、後期高齢者と呼ばれている年代の方々にとっては、当たり前のことだったかもしれませんが、男女問わず、台所仕事は出来た方が自分の為になるのでは?と思います。
女性が男性より平均寿命が長いのは、家事をして手先をよく使うからだと聞いたことがありますが、いわゆる定年退職した後に何をしたらいいのかわからなくなるより、家事を少しでもするようにすれば、自然と手先だけでなく体を動かす事となり、時間を持て余して困る事もないのではないでしょうか?
プロのシェフやすし職人さんは女性より男性が多いですし、台所に入らない、と決めつけなくてもいいのではないかと思っています。
入居者の皆様の世代は男子が厨房に入らない時代だったのでは・・・と思いますが、ホーム唯一の男性入居者様は、職員の頭が下がるほど、こまめにお手伝いをして下さいます。
「ええよ。してあげるよ」と言われ、もやしの根切りから食器拭きまで、苦に感じることなく手伝ってくださいます。
家事だけでなく、草取りや花の植え替え、掃除、ゴミ出しも快くしてくださいます。
いつもにこやかにお手伝いをして下さるので、職員もついついあてにしてしまいがちですが、そんなこんなで体を動かして、より元気でいてくださるのであれば、お互いに一石二鳥になっているのかもしれません。